東京の高齢者に優しい街「東京のウォーカブルタウン」とは?
東京のウォーカブルタウンとは
高齢化が進むことにより、深刻な問題となっているのが住宅問題です。
特に地方都市においては過疎化が進み、生活圏の地域コミュニティが希薄化していくことにより孤立する高齢者世帯が増えてきているという大きな問題が起こってきました。
若くて体力が十分にある時期には気づきにくいものですが、車社会となっている現状においては高齢者が自立した生活を送ることへのハードルがかなり高くなっています。
そこで高齢者が安心して長く生活できる環境を整えるために、全国で開発が進められているのが「ウォーカブルタウン」という構想です。
まず「ウォーカブルタウン」とはどういうものかということから説明をしていくと、簡単に言って街全体がバリアフリー化されている場所ということになります。
高齢者にとっては小さな段差もつまずきやすく、滑りやすい廊下や狭いトイレなど生活に不自由を感じる場面が多くあるものです。
そうした高齢者や障害を持つ人にも過ごしやすくするために作られた住環境を「バリアフリー」と言います。
その設備を町全体に設置して、外出時にも快適に過ごせるようにしたというのがウォーカブルタウンということになるのです。
ウォーカブルタウンとしてのまちづくりは現在全国的に行われており、有名な取り組みとして青森市や大分市などがありますが、人口の多い東京都支部でも急ピッチで開発が進められています。
都内ウォーカブルタウンとして代表的な場所としては、世田谷区や杉並区、港区などがあります。
特に世田谷区の瀬田・上野毛エリアとされる場所は高級住宅街として知られていますが、この地域ではウォーカブルタウンとして高齢者に優しいまちづくりがされているのです。
老後におすすめの理由
ウォーカブルタウンは別の言い方をすると「高齢者が住みたい町」ということになります。
毎年「住みたい町」としてアンケート調査がされていますが、世代を分けて見てみると、かなり内訳が異なっていることに気が付くでしょう。
厚生労働省による就労受験総合調査結果では、平成27年度の統計で「リタイア後に住みたい街」をまとめています。
そこで第一位は神奈川県鎌倉市、沖縄県那覇市が同率となっており、ついで北海道札幌市中央区、沖縄県石垣市となっていました。
東京都でトップなのが第5位の世田谷区で、ついで第6位の港区、第8位の中央区、第9位の目黒区といった順位になっています。
世田谷区が高齢者に人気となっている理由をもう少し調べると、都心部に近い生活の利便性があるとともに住宅地として落ち着いた雰囲気があることが挙げられています。
さらに周辺には五島美術館や砧公園、世田谷美術館といった文化施設が充実しています。
病院などの施設も多く、路線バスも豊富に走行していることから車を持たずに生活できる便利な徒歩圏エリアが形成されているのです。